ついにアタル兄さんが登場。
そして40週年企画ということでプレイボーイのほうに即日掲載された284話の方も読んじゃいました。
今週の、気になった点
神の信任
キン肉星の大王になるには神々の信任が必要でしたが、何故そんな必要があるのかと疑問を呈するアリステラと、答えに詰まるスグル。
たしかにアリステラの言い分はもっともだと思います。
そもそも信任するも何も、キン肉星の大王職は世襲制ですから、大王の息子が継ぐ以外にないわけです。
そこで「認めない」とか言い出す神がいれば、王位争奪戦のように新たな火種が生まれるだけだと思うのですが。
開祖であるシルバーマンは神々の権威に頭を垂れるようなことはしなさそうですが、この制度はいつから始まったのでしょう?
おそらく太古にオメガ一族が地球を支配していた頃も、そんな制度は無かったのでしょう。
力のある者が支配者になっていただけです。
ただ、武力だけが支配の根拠になってしまうと、武力で下剋上をしようとする者が現れるのも必然。
そこで、武力以外に正当性を裏付ける何かを求めた人物がいたのかもしれませんね。
「キン肉族がいちばん強いわけじゃないけど、神が認めたからキン肉族が支配者」という図式です。
これなら、むやみに武力でキン肉族を倒したとしても、神々から支配権を認めてもらえないし、大衆の支持も得られません。
結局、神々の信任というのが、無用な争いを制御するシステムになっているわけですね。
日本の天皇制なんかもそうで、豪族や貴族たちがどんなに武力や財産を蓄えても自分が天皇になることは出来なかった、その背景には神話や祭祀があります。
ヨーロッパの王たちも教会から戴冠を受けてましたし、中国の皇帝も「天命」を受けたものだとされていました。
したがって、こういったシステムの誕生自体は歴史の必然なのかもしれませんが、ところでキン肉マン世界には「天上の神々」に対する信仰はあるのでしょうか?
カピラリア大災害の伝承すらも完璧超人以外には伝わってないし。
金のマスク・銀のマスク信仰はありましたけどね。
前シリーズで悪魔超人がカッコイイ活躍をしたせいで、悪魔超人の悪役としての立ち位置というのがよく分からなくなりつつありましたが「神々からの信任」を必要としない一派ということで再定義することも出来るかもしれません。
すなわち
完璧超人:神から降りたザ・マン直属支配
正義超人:神の信任を受けたキン肉星大王が代表権を持つ社会
悪魔超人:神の意志など関係ない、実力主義社会
という感じで。
サタンは悪魔超人を支援し、弱肉強食の戦乱の世を招こうと考えたものの、悪魔将軍が意外とおとなしいし、悪魔超人内で下剋上も起こらない。
そこで、神の支配を抜け出そうとしているもう一つの勢力であるオメガを見出し「真の悪魔」に仕立て上げようとしているのです。
手を組まないか
そしてスグルを仲間に引き込もうとするアリステラ。とにかくアリステラはスグルが好きですよね。
神を倒して超人のための世界を取り戻すというのは、一見とてもキレイな理屈です。
スグルを説得するためにここまで矛盾のない論理構成を準備してきたアリステラも大したものです。
しかし、その背後にある悪意を見落とさずに、キッパリと断ったスグルがまた格好いい。
器じゃないリーダーだったら、ここで「うん、言われてみればそうだよね・・・」ってなっちゃうと思うんですよ。アリステラの言ってることに筋は通ってますから。
しかしスグルは「綺麗に説明はできない」ながらも、自分の直感に従って、ブレない道を示した。
大王としての器を感じさせる意思決定だと思います。
仲間割れ
そして気になっていたのが、負けながらも生き残ったパイレートマンの立ち位置。
アリステラと180度対立するわけではないながらも、ザ・マン討伐に関しては反対にまわったという具合。
前シリーズのピークア・ブーみたいなポジションに収まりそうですね。
ただ完璧超人軍との違いは、そうなった仲間を切り捨てようとせず、再度説得しようとしているところ。
アリステラは基本的に人の話をしっかり聞きますよね。(そこが弟との違い)
自分では「できるわけないだろう」と言っていますが、ザ・マンとも落ち着いて話し合えば相互理解はできそうな男に見えます(笑)
電撃予想:今後の展開
第284話はもう読んじゃったんですが、基本的にアタル兄さんが、やってきた経緯を説明してくれる回でした。
- 残虐の神から情報提供を受けた
- 安土城から墓場へ抜ける穴はふさいだ
- 六鎗客はいいように踊らされてるだけ
そして真ソルジャーは死んだままなんですね・・・
アリステラが提案したタッグマッチ、アタル兄さんは受けるでしょうか?
アリステラの説得が不可能である以上、試合を避ける方法はないように思われます。
そうなるとこの試合で今シリーズもひと区切りでしょうか。
正統派なアタル・スグル兄弟に対して、わりかしトリッキーなアリステラ・マリキータマン。
シングルマッチなら好対照で面白そうなカードですが、タッグだと両チームともスタイルがかぶり気味なのが気になるところ。
たぶんアリス・マリキ組はチームワークも良くて、ツープラトンなんかも持ってそうです。
それに対して、兄弟とはいえ初めてのタッグ結成となるブラザーズはどうでしょう?
マッスルドッキングや肉ラップのようなツープラトンにも期待したいところですが、ナパームストレッチとスグルの技をくっつけるのは、ちょっと思い浮かびません。
マリキが4戦以上やるのもキツいと思いますし、さすがにこの試合はブラザーズ組の勝利で終わるかなとは思うのですが、そうなるとこのシリーズの行方はどうなるのでしょう?
ここで終わりか、それともサタン直属の新たな敵が登場するのか。
さすがにここで終わるのはちょっと早いかなという気はしますが、サタンに直接動かせる部下がいるのであれば、ここまでオメガに任せっきりにはしない気がしますし、アタル兄さんまでここに出てきたということは、現状で見えている敵はオメガだけと考えて良いでしょう。
となるとアリステラを鎮圧した後に、新たな敵となるのは既存勢力です。
すなわち、次の敵は悪魔超人じゃないでしょうか。
上の方でも確認した通り、悪魔超人というのは「神の信任」を根拠とする権力を認めない一派で、アリステラたちと思想的には共通しています。
さらに、悪魔将軍はバッファローマンに対し「神をも超える力を手に入れること」を期待しており、これは邪悪5神や運命の王子たちが危険視している事態そのものです。
オメガなど襲来しなくとも、危険は身近にあったのです。
というか、いささか聖人君子っぽくなりすぎた悪魔将軍に、いかついヒールとして返り咲いてほしい。