こんにちは。
白ゼブラに戻ったシーンは格好良かったですが、あんまり反撃が出ませんでしたね。
もくじ
今週の、気になった点
名も無き良技
マリキータマンがゼブラの後頭部にヒザを当てながら背中から着地した技、サラッと出しましたけど、けっこう良くないですか?
軽やかで優雅で、かつエゲツない、良い技だと思います。
てか多くの読者がマリキータマンに期待してたのって、結局この技じゃないかと思うのですが、どうでしょう?
なんかオシャベリしながらさりげなく披露しちゃったけど、名前くらい付けてくれても良かったんじゃないかと思います。
メダルまだ持ってたんだ
ゼブラメダルはもともと王位争奪戦におけるチームの結束の証だったので、ゼブラのソロ活動である今回は持ち歩いている必要はないハズ。
メダルに描いてあるのはキッドのようですから、ゼブラ個人にとってはそれ以上の意味あいがあるのかもしれませんね。親友の形見をお守り代わりに持ち歩くような。
ところで、ゼブラは一見、全裸に見える超人なのでメダルどこから出てきたんだというツッコミを入れたくなります。
しかし、旧作をよく読み返してみるとどうやらゼブラはボディスーツを着ているみたい。
血染めのマントの儀式のためにマスクを剥いだシーン。よく見ると首から下は黒いゼブラスーツを着ていることが分かります。
同様にボディスーツを着ているのか全裸なのか分からない超人に、ペンタゴン、カナディアンマン、ミラージュマン、カニベース等が存在します。彼らの股間事情も気になるところですね。
特にペンタゴンは、いつもの格好の上にタイツを履いたり履かなかったりするものだから訳が分かりません。
シュワーシュワー
二重人格が生まれるときってどんな感じなのか、私は経験がないので正確には知りませんが、少なくともこんな軽い効果音じゃないだろうという想像はできます。
まあそれは置いておくとして、キッドを殺した時点ではまだ彼は技巧の神と出会ってないはず。
二重人格が生まれるにしても「白パワフルマン」と「黒パワフルマン」になるはずでは?
と思ったけど技巧の神がパワフルマンをスカウトしたときにはキッドらしき縞馬がそばにいるし、もうこのへんは設定がグチャグチャ過ぎてよく分かりませんね。
むりやり辻褄を合わせるとすれば
パワフルマン、キッドを殺し超人協会に入会
↓
ボクシングのチャンピオンになる
↓
なぜか農家に戻り、2代目シマウマと畑を耕す
↓
タッグトーナメントの結果に、邪悪神が危機感を募らせる
↓
技巧の神がパワフルマンをスカウト、キン肉マン・ゼブラとなる
↓
チームメイトをスカウトし、王位争奪戦に参戦
という時系列になるんでしょうけど、ボクシングのチャンピオンが荒れ地を耕しているのも、2代目シマウマの存在も意味が分かりません。
ちなみにキッドはたてがみまでシマシマですが、2代目はたてがみが白いです。これが見分け方。
ゴングはまだ鳴らすな
敵がKOされたら速やかにゴングを鳴らすクセに、見方がやられそうなときには粘る、いつものパターン。
一旦はKOかと判断したものの、ゼブラがピクピク動いていることに気づき、ノックを静止する委員長。
見切り発車でGOを掛けたと思ったらすぐに言うことが変わる、面倒な上司のパターンです。
コレをやられると次第に部下は自分で判断することを止めて、「どうでもいいやー」と機械のように上司の言いなりで動くヌケガラのような存在になっていきます。
もうノックもそんな顔になっちゃってるでしょ?
まあそれは置いといて、そもそも「戦う意志がある限りゴングは鳴らさない」とかじゃなくて、適切なタイミングで試合を止めるのも彼らの役目のはずだと思うんですが、どうでしょうね?
戦ってる本人たちは意地張っちゃってギブアップなんかしません。そこを客観的に見て、もうダメだと判断したら試合を止めるのがレフェリングってもんでしょう。
彼らが責任を持って試合を止めてればカナディアンマンもカレクックも死なずに済みました。
さて、話をゼブラに戻しますと、マリキータマンがトドメを刺しきれなかったことにより、ゼブラの反撃あるかという雰囲気が再び漂い始めました。
ここで、委員長がゴングを止めたパターンでの、その後の試合展開を復習してみましょう。
その1.ブラックホール vs ジャック・チー
結局この後ブラックホールには自力で反撃する力は残っていなかった訳ですが、誰もが予想し得なかったペンタゴンの登場により、見事逆転勝利となりました。
その2.ブロッケンJr vs サイコマン
委員会が試合を止めないのであれば、拾式奥義でトドメを指すとサイコマンが宣言。このままいけば間違いなくブロッケンは殺される運命でした。
しかしソコへまたしても伏兵が登場。前フリはあったもののその後一向に動きのなかったシルバーマンが満を持して姿を現しました。
試合に興味を失ったサイコマンによっておざなりにKOされ、結果としてブロッケンは一命を取りとめました。
このように今までのパターンからすると、ゴングが止められたのは必ずしもゼブラ勝利のシグナルとは言い切れません。
しかし、思わぬ伏兵の乱入があるかもしれませんね。
今シリーズで言うと一瞬登場したっきりのジャスティスマンがクサイ。
まあゼブラとジャスティスマンに関係があるとは思えませんが、ゼブラは「ゼブラメダル」と「キッド殺害の罪」というネタを持っていて、これって、あの訳の分からん天秤を活かす小道具としてはちょうど良さそうなんだよなぁ。
妄想ネタ
いつもならここから次回の展開を予想するとこですが、正直もう白ゼブラが根性見せて必殺技出して勝利っていう展開しか見えません。ですのでちょっと妄想ネタを。
「ケジメ」とは何だ?
限界が近づきながらもふたたび立ち上がってきたのは「執念」ではなく「ケジメ」だと言うゼブラ。その違いは何でしょう?
「執念」なら、分かりやすいですよね。
負けない、何としてでも勝つ、使命を果たすまでは死ねない、そんな気持ちです。
では「ケジメ」とは何でしょう?
「ケジメ」と聞いて、まず思い浮かぶのはブロッケンJrですよね。
タッグトーナメントにて、モースト・デンジャラス・コンビは乱入コンビにやられて戦闘不能になってしまいます。
ブロッケンJrは、対戦相手である2000万パワーズや、観戦を楽しみにしていた観客たちに対する「けじめ」として、せめて自分をフォールしろと言います。
このように「ケジメ」とは、責任を取る・落とし前をつけるとか、物事をあるべき形で決着をつける、というような意味合いです。
誰に対するケジメ?
これは言うまでもない、キッドですよね。
キッドは、ゼブラの夢のために命を譲ってくれました。
逆に言えば、ゼブラが追っている夢には、自分の命以上の価値があると、キッドは考えたのでしょう。
であれば、キッドが応援してくれた理想への道をまっすぐに進むことこそが、キッドに対する「ケジメ」です。
キッドを殺してしまった罪の意識に苛まれ、分裂してしまうなんていうのは、キッドが望んだことではないはずです。
むしろ、悪人でも良い、ダークヒーローでも良いから、自分の信じる道をずんずん突き進んで欲しい。ゼブラの理想にオレも乗る、命まるごと賭ける。それこそがキッドの気持ちだったのではないでしょうか。
ゼブラとキッドが見た夢とは?
ここからは想像になりますが、ゼブラとキッドの夢、それは利権まみれの超人界の秩序を解体し、風通しの良い、新しい社会を作ることだったのではないでしょうか。
真面目に、がむしゃらに働いてきたゼブラとキッドが直面した壁、それは硬直化した階級社会でした。
出世したければカネ。カネがなければ話になりまへんという社会で、何もせずふんぞり返っている連中が、労働者が必死に働いて得たカネを巻き上げています。
ゼブラも一見、この秩序に取り込まれ、金の亡者に成り下がったように見えました。
しかし、本当はそうではなかったのだと思います。
ゼブラが雇ったチームメイトを見てみましょう。
- マンリキ
- モーターマン
- バイクマン
- パルテノン
このメンツ、よく見てみるとクラフトマンやアート畑の連中ばかりです。商人や金融屋はひとりもいません。
さらに、「友情ダコ」とか言ってやりがい搾取気味なスグルチームとは違い、30億ドルという前金を渡し、そのうえ大臣の地位をも約束しています。
ゼブラは、報酬を明確に形で示すのです。
ここから想像するに、ゼブラには王位奪取後の体制の、明確なビジョンがありました。
商人や金融屋を権力の座から降ろし、農家出身のゼブラがリーダー、そしてアート・クラフト畑の人材が大臣として顔を並べる体制であり、生身で汗をかいて働いている人間が、きちんと報酬や地位を得られる社会です。
「士農工商」という言葉がありますが、価値の移動に従事する「商」人ばかりが甘い汁を吸うのではなく、現実に価値を生み出している百姓やクラフトマン・アーティストとして生きることに幸福を感じられるよう、社会全体の価値観をシフトしていかなければならないと、落合陽一先生も言っています。(『日本再興戦略』)
パルテノン神殿に祀られている女神アテナは芸術や工芸を司る神ですから、宗教的な面からもこのような価値観の変容を進めていこうという意図が透けて見えます。
トークンエコノミー
ゼブラは一見すごくカネ払いが良いようにも見えますが、実のところ、逆にあり余るカネにそれほど価値を感じていなかったんじゃないかというのが、私の見方です。
そもそも、
- 超人協会入会に100億超人ドル
- ゼブラチームのスカウトにそれぞれ30億超人ドル
- ロビン・ラーメンマンに裏切りを提案した際の提示額50億超人ドル
っていう金額をパッと見て、違和感がありますよね?
ケタ、大きすぎますよね?
こういう金額に正解がある訳でもないし、ゆで先生のことだから、適当に大きい数字にしておいたんだろ、っていう見方ももちろん出来るでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?
現実に相場の存在する「シマウマの毛皮」についても超人ドルで値段が提示されていて、その値段は10億超人ドル。
で、シマウマの毛皮って意外なことにamazonとかで買えて、だいたい15万〜25万円くらい。キッドの毛並みが良い部類だとしても、まあ30万円あれば買えるでしょう。
つまり、10億超人ドル=30万円。
- 超人協会への入会金は300万円
- ゼブラチームのスカウトは1人90万円
- ロビン・ラーメンマンのスカウトは1人150万円
なんか、だいぶ現実的な値段になってきましたね。
ゼブラが働いて貯めたのは270万円です。
あんまり夢のない数字に見えるかもしれませんが、資本ゼロで始めて、クワ1本で働いて貯めたんですから、相当なものだと思います。
このレート換算は、けっこう妥当なように思います。
円に直すと、
1円=3,300超人ドル。
あんパン1個がだいたい330,000超人ドル。不自然にケタが多いですよね。おそらくコレ、インフレが起こっているんじゃないでしょうか。
ちなみにハイパーインフレに陥っているベネズエラの通貨は2018年9月現在
1円=2,200ボリバル・フエルテ になってます。
ゼブラはチームメイトにきっちり報酬を与えたいと思っていましたが、超人ドルを渡しても、いつまでその価値が保つか分からない。
単純にゼブラ通貨を発行しても良いのだけれど、それでは結局、金額の大小を競う経済からは抜け出せない。
また、カネを使ったり、増やしたりすることが得意でないゼブラチームの面々が、結局は小狡い商人に出し抜かれて没落するような事態も避けたい。
金は失っても功労者は功労者であり、その価値を証明し保存する、カネではない何かが必要だ。
そう考えて考案されたのが、ゼブラメダルだったのではないでしょうか。
コンセプトが先を行き過ぎていて、実際に機能するまではチームのメンバーにも理解してもらえないだろうと考えたため、チーム内では単に「団結の証」と説明していました。
しかし、ゆくゆくはゼブラメダルを持っていることによって人から尊敬され、様々なサービスを受けられるようなシステムを考えていたのではないでしょうか。
というか、キン肉星すべてを一気に変えることは出来ませんでしたが、もっと小さい規模で、すでに経済圏を作り始めていてもおかしくないですね。むしろ、まずは小さく始めたほうが良いのかもしれません。
ゼブラメダルはゼブラから認められた証。パルテノンメダルはパルテノンから認められた証。
「パルテノンの旦那には世話になってるからね! そのメダル持ってるなら、好きなだけ食べて行っていいよ!」
みたいな感じの経済。
既に経済圏が動いているからこそ、ゼブラチームとして出てきていない今回もゼブラメダルは携帯しています。自分たちの経済圏に迎え入れたい、見どころのある人物に出会えた場合には、ゼブラメダルを手渡そうと考えているのです。
電撃予想
タツノリ・真弓・スグルの3代で宮中の汚職や既得権益に群がる輩は浄化が進みつつあります。
しかし一方、マッスルガム宮殿の外に目を向けてみれば、農民や職人といった身分から出世する道は依然として狭く、またインフレによって民の生活は苦しくなる一方。
宮中にいてはなかなか肌で感じられないダウンタウンの現状を目の当たりにし、心を痛めるのは王家出身のあの男。
そんな彼が感銘を受けたのが、キン肉マン・ゼブラが築きつつある新たな経済圏でした。
このムーブメントを見守り、支えていけば、きっとキン肉星の経済を立て直すパワーを生んでくれるだろう。
しかし、その経済圏がうまく回り始めた矢先、ゼブラは邪悪神の頼みで戦いに駆り出され、絶体絶命のピンチに。
新たな時代の希望であるゼブラを、こんなところで死なせる訳にはいきません。
委員長がゴングを止めるのは救世主登場のサイン。
予想しましょう。次回はキン肉アタルが乱入します。