ウガンダがコーヒー生産世界3位を目指すらしい。

コーヒー

こんにちは。コーヒー屋です。
ちょっと気になるニュースを見つけたので、要約と所感を述べます。

ウガンダがコーヒー生産世界トップクラスを目指す計画。

↓こちらがソースです。

Uganda's Plan to Become One of the World's Biggest Coffee Producers
Thanks to an aggressive sector-wide growth strategy, Uganda is positioning itself to be the next Vietnam in terms of global production and exports. While the st...

 

以下、ニュースの要約。

ウガンダはコーヒーの生産と輸出で、ベトナムに次ぐ世界3位の位置を目指しています。
生産目標は2020年までに540万袋、2030年までに2,000万袋。これは大統領の主導で進められている、商品作物の緊急増産計画の一部です。

ヨウェリ・ムセベニ大統領は2013年7月、Operation Wealth Creation (OWC)なる機関を立ち上げ、貧困撲滅と持続的な富の創造を目的として、社会構造の変革を進めています。

この活動は、ウガンダ人民防衛軍が率いています。2020年までの3年間、毎年300万本のコーヒー苗木を国民に配ることを目標としています。

 

コーヒーは、自給農家に現金収入をもたらし、近年の平均では獲得外貨の20~30%を占めるという点で、ウガンダにとって戦略的優先事項です。
しかし、ここ15年間の生産量の伸びは非常にゆっくりとしたペースであり、年間300~400万袋で推移しています。

ウガンダ産コーヒーの85%は、小規模農家によって初歩的な方法で生産されています。
ウガンダの平均収量は1ヘクタール当たり0.6トンですが、例えばベトナムではこれが1ヘクタール当たり2.2トンです。

 

アラビカ種のコーヒーは1900年代初頭に持ち込まれましたが、ロブスタ種は土着のものであり、何世紀ものあいだ、ウガンダ人の生活に溶け込んでいます。ウガンダの熱帯雨林ではロブスタ種のコーヒーが今でも自生しています。これは世界的にも珍しいことです。

 

世界的なコーヒー需要の高まりは、ウガンダにとっては良いニュースです。
コーヒーの世界需要は年間0.5~3%増加すると予測されています。特に、ウガンダの得意分野である、高品質なロブスタ種の需要が高まっています。

大統領は、コーヒーの生産目標達成のためならあらゆるサポートをすると明言しました。政府は肥料や農業資材、農地へのアクセス向上、ファイナンス、農地拡張等に対し、9億ドルを費やす予定です。

 

コーヒーは、現金収入のための作物です。170万人の小規模農家がコーヒーを育てていて、そのうち117万人はロブスタ種を育てています。しかしロブスタ種は値段が安く、得られる収入はさほど多くありません。世界的な需要で見れば、高品質なロブスタはアラビカと同等の需要があるのに。

コーヒーの種や苗が、実をつける木に育つには何年も掛かりますが、苗の死滅率の高さ、気候変動、拡張可能な耕地の少なさといった問題があります。

補足1.ウガンダの地理的条件

ウガンダは東アフリカに位置しています。
ケニア・タンザニア・ルワンダといったコーヒーの名産地と国境を接しているので、コーヒー生産に適した環境であることは想像に難くありませんね。というか、生産量だけで見ればウガンダはこの3国を上回っています。

補足2.現在の国別生産量

出典:https://www.globalnote.jp/post-1014.html

2016年現在でウガンダは世界10位。意外にもメキシコ・タンザニア・ケニアなんていう有名どころより生産量は上です。
ただし記事にもある通り、ロブスタ種が大部分を占めているので馴染みが薄い感じがするんですね。

上の記事だと生産量がなぜか「袋」単位になっているんで分かりにくいんですが、たぶん1袋50kg換算でしょうかね。
だとすると
2020年の目標540万袋=27万トンで、グァテマラを抜いて9位。
2030年の目標2000万袋=100万トンで、ベトナムに次ぐ3位になれます。

ちなみに2位のベトナムも、ロブスタ種の生産が多い国ですね。

補足3.ロブスタ種について

補足説明をすると

アラビカ種:病気等に弱く生産が難しいが、繊細な味わい豊富な系統。一般的にグルメコーヒーはこちら。価格が高い。

ロブスタ種:病気に強く収量も多い一方、苦味意外のおいしさ成分には劣る品種。インスタントコーヒー・缶コーヒーの原材料として広く用いられる他、アイスコーヒーのブレンドに混ぜると引き締まった苦味が出て良かったりする。価格が安い。

というのが大雑把な2品種の区分です。

 

基本的にロブスタ種は価格が安いので、生産者側としてはうまみが少ないと言えるかもしれません。
しかし一方で、新興国でのコーヒー消費量が増えており、そういった国々ではロブスタ種の方が多く飲まれているため、世界的に需要が増えているのはむしろロブスタ種であるという面もあります。

↓参考記事

MONEY PLUS – くらしの経済メディア
MONEY PLUS(マネープラス)は、お金の話が苦手な人に向けて、金融・経済情報をわかりやすく伝える経済メディアです。

所感

毎日おいしくコーヒーを飲ませていただいている者として、生産者さんの暮らしというのは関心のあるテーマです。

ウガンダではロブスタという強みを活かしながら、耕地面積あたりの生産量を上げるという戦略で行くようなので、うまく行けば生産者さん一人ひとりの収入アップ、生活レベル向上にも繋がるんじゃないかと期待してます。

 

また、気候変動によって今後、コーヒー生産に適した地域が変化していくという説があります。

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世界がそうなったときに美味しいコーヒーを飲み続けられるためには、現在メインストリームにいない国での、生産技術の底上げが大事なのかなと思います。

そのために私たちが出来ることとして、ウガンダ産のコーヒーを買って飲んでみるっていうのもアリなのかなと思います。

 

というか「ウガンダの熱帯雨林に自生する、レアなロブスタ種」っていうのは単純に興味が惹かれますよね。

 

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