こんにちは。NEMberです。
ブロックチェーンの力で1600億ドルのギフトカード市場を解放し、手数料0%のマーケットを作ろうとしているプロジェクトBrifsの概要と、その前提となるギフトカード市場について、ざっとまとめてみました。
主にBrifsのホワイトペーパーと公式FAQを参照して、噛み砕いてます。
ギフトカード市場の現状
米国では、ギフトカードは「貰いたい・贈りたいギフト」のナンバーワン。
その市場規模は年々成長していて、2018年には米国内だけで1600億ドルに上ると見られています。
一方でBrifsチームは、ギフトカードが生む、以下2種類の経済的損失を問題視しています。
- 行かない店のカードをもらってしまうロス
- いらないカードを売却する際の、手数料によるロス
現行のマーケットプレイスでは、いらないカードを売る際に15~20%程度の手数料が取られてしまいます。
例えば額面100ドルのギフトカードが手元にあったとして、そのままの値段では売れないでしょうから95ドルで売りに出したとします。すると運営の手数料が引かれ、売り手の手元に入ってくるのは80ドル程度になってしまうのです。
中抜きされた15ドルは、詐欺行為による損害、クレジットカード決済手数料、オペレーションコスト、株主への配当をカバーするために必要な取り分です。
これではあんまり売りに出す気にもなりません。結局「いつか使うかもしれない」としまい込んでしまって、カードの流動性が上がりません。
マーケットにもめぼしいカードが出てこなくなります。
ホワイトペーパーによれば、手数料の中抜きによる経済的ロスは2018年度で240~320億ドルになるとのこと。
これは米国の交通インフラ産業が生む経済効果(年間210億ドル)を食い潰して余りある数字です。
このロスを解消できれば、人類にとって大きなソリューションとなります。
Brifsがやろうとしていること
Brifsが目指しているのは「仲介手数料ゼロの、ギフトカード・マーケットプレイス」を作ることです。
NEMブロックチェーンのスマートアセット機能を使うことによって、仲介コストはゼロにすることが出来るとのこと。
ちなみにこの取引はNEMパブリックチェーン上で行われるので、トランザクションフィーとして少額のxemが必要になるはずなのですが、それについての言及は見つけられていません。Brifsはあくまで、ユーザーが支払う手数料はゼロと言っています。
アグリゲートトランザクションを使って、トランザクションフィーのxemはBrifsが肩代わりするのかもしれません。
なぜNEMを使うのか
1点目は処理速度と手数料の面。現状ビットコインやイーサリアムの速度・手数料水準は、エンドユーザーを対象とした使用には耐えないとのこと。
2点目は、一からカスタムビルドせずとも、NEMの「スマートアセットツールキット」を利用することで、「トランザクション完了前には、売り手だけがカードを使えて、トランザクション完了後には、買い手だけがカードを使える」という仕組みが、シンプルに構築できるそうです。
最終的にはNEMパブリックチェーンと連動したBrifsプライベートチェーンを持ち、そこでカード1枚1枚にユニークなシリアルナンバーを振って管理するとのこと。
そういえばmijinかCOMSAか何かでこんなことが出来ると言っていたような気がしますが、そのへんを使うのでしょうか?
トークンについて
Brifsマーケットプレイスでの購入・支払いにはBRIFトークンを使用します。
(ホワイトペーパーではBRCトークン、NCFプロポーザルではBRIFトークンと表記されていますが、新しい方に合わせます)
BRIFの価格は市場での需要と供給に応じて変動します。しかし、それは大した問題ではありません。
なぜならBrifsマーケットプレイスでは、ギフトカードの価格はドル建てになっていて、そこでギフトカードを買おうという瞬間にBRIFトークンを買い、即座にBRIFトークンで支払うような使い方が想定されているからです。
デモサイト
現在デモサイトが見れるようになってます。
デモ段階なので実際に購入することはできませんが、けっこうスッキリして見やすいサイトデザインで良いですね。
ざっと眺めてても、15ドル分のドーナツが11ドルで食べられるカードとかが並んでて、食指が動いちゃいます。
収益モデルについて
「仲介手数料ゼロのマーケットプレイスは、儲けるために作るんじゃない。あるべきだから作るんだ。マーケットプレイスからは収益は得ない」と、ホワイトペーパーでは言っています。
とは言ってもこの事業を継続していくための収入源として
- 広告収入
- ギフトカードの売上をBRIFトークン以外(法定通貨やBTCなど)で出金する場合に、2%程度の手数料を徴収
という2つが挙げられています。
所感
ユーザーに対する直接的なメリットが非常に分かりやすく、魅力的なプロジェクトだと思います。
無事コミュニティ投票も通過しましたし、「人気の何かがNEMで動いてる」形に成長してくれるんではないかと期待してます。